現代社会では、子どもの約60%に足の異常があります。小学生を対象にした足の調査では、クラスの50~60%に外反母趾や浮き指といった足の異常があるという調査結果が発表されています。
この結果起こるのが、真っすぐ走れない子どもや、転ぶときに受け身が取れずに顔から落ちる子どもの増加です。
文部科学省の調査でも子どもの基礎的な運動能力が急激に低下し、平らなところで転ぶ子どもが増加していることを指摘しています。
足裏と健康の関係性
子どもの身体に起こっている異変
2019年10月17日(木)2024年1月31日(水)
なぜ、現代の子どもにこのような症状が増えているのか
現代では子どもが外で遊ぶ機会が減っており、さらに特に都会では道路も舗装されたアスファルトばかりです。裸足で土の上やでこぼこしたところで遊んだり、走ったりする機会がなくなると、踏ん張って身体を安定させるための「足底筋群」も発達不足になります。
つまり、幼少時からの足裏への刺激が極端に少なくなったために、足裏の感覚(刺激)を脳が感じ取り、それを全身に伝える足裏のセンサー(メカノレセプター)の機能が鈍くなるため、体のバランスが悪くなったり、足裏の免震機能が発達不足になってしまっているのです。
その結果、運動機能も低下し、転びやすくなったり、ケガもしやすくなります。さらに、長時間の起立姿勢に耐えられずにふらついたり、長時間座っているのが辛くなります。
また、足裏が発達不足になると重心がかかとに片寄り、さらに左右差も生まれ、足裏が不安定になります。足裏の不安定はひざの反り過ぎ(反張ひざ)も起こします。
この足裏の不安定を補うため、骨盤や背骨、首に歪み(ズレ)が起こり、原因不明の腰痛や首コリ、肩こりを伴う頭痛やめまい、立ち眩みなどが起こり、さらには自律神経失調やうつ状態まで起こしてしまいます。
足裏に刺激を与える方法
子どもの足は小学校3年生まででだいたい決まってしまいます。まだ小さい子であれば、日常生活で得るのが難しくなった足裏への刺激を、ベビーマッサージの一環としてお母さんが与えることで解決できます。
歩きはじめの少し前から4歳くらいまで、足裏全体を爪を立てて軽く押して刺激することを毎日両足10分くらいおこなうと良いです。
12歳以上のお子様の場合には、足を本来の形に戻すためのテーピングを行う必要が出てきます。テーピングである程度足の形を戻したあとは、テーピング機能を内蔵した靴下や、グーパーリハビリ運動でしっかりと足の踏ん張り力を取り戻すようにします。
歩きはじめの少し前から4歳くらいまで、足裏全体を爪を立てて軽く押して刺激することを毎日両足10分くらいおこなうと良いです。
4歳から8歳くらいまでのお子さんの場合には、上記の刺激を与えるのに加えて、グーパーリハビリ運動を軽く行うことをおすすめします。
また、靴を履くときに靴ひもやベルトで甲の部分をしっかりと締めて横に広がらないようにすることも大切です。
8歳から12歳くらいのお子様の場合には、グーパーリハビリ運動と、テーピング靴下の着用、変形がある場合には専用サポーターを併用して着用するようにすると良いです。
12歳以上のお子様の場合には、足を本来の形に戻すためのテーピングを行う必要が出てきます。テーピングである程度足の形を戻したあとは、テーピング機能を内蔵した靴下や、グーパーリハビリ運動でしっかりと足の踏ん張り力を取り戻すようにします。