テーピング・サラシ実践法

2019年3月8日(金)2019年3月7日(木)

サラシ包帯固定法

なぜ固定をするのか

負担度(かかとからの突き上げと体重がひざの関節面で衝突を繰り返す)より安静度(治癒力)が上回る固定をすることにより、何人も治癒に向かうという自然治癒力の法則が人間に備わっているためです。

サラシ包帯によるひざ関節の固定は、これを十分発揮できるための環境条件を整えるということなのです。

固定の意義
  • 膝(ひざ)の安静を保つことで炎症を取り除き、疼痛をやわらげることができます。
  • 固定により、負担度より安静度が上回ると、出っ張った骨は吸収され、足りないところは骨が再生されるという修復作用「過剰仮骨の吸収と付加骨の添加」が起こり、最大限に自然治癒力が発揮されます。
  • O脚などが改善できるため、歩行時の膝(ひざ)関節の安定性や適合性を高めることができます。
固定が必要な理由の解説

サラシ包帯の作り方

1.サラシ一反(約9メートル)を使用。
サラシバンテージセットが、伸縮しないサラシバンテージと伸縮バンデージが両方セットで購入できて便利です。
用意する布サラシの写真
2.サラシの片端を、三等分になるよう折り目を入れる。
サラシの折り方の写真
3.折り曲げた二か所に、ハサミで5センチくらいの切り込みを入れる。
サラシへの切込みの入れ方の写真
4.ハサミで入れた切れ目から、勢いよく両手で裂く。
サラシを裂いた様子の写真
5.三等分されたサラシをひざの上で転がしながら、手で巻いていく。
サラシを裂いた様子の写真

サラシ包帯の固定量の決定

3本のサラシ包帯ができたら、次に巻く量、「固定量の決定」です。膝(ひざ)療法の基本は『膝(ひざ)への負担度より安静度が上回る固定保持』がポイントですから、次の固定量を目安にしてください。
  • 体重60Kgまでの人はサラシ包帯1本(約9m)
  • 体重70Kgまでの人はサラシ包帯1本半
  • それ以上の人ならサラシ包帯2本が適量
サラシ必要量の一例

サラシ包帯固定の巻き方

サラシを巻く時は必ず、ひざを45度に曲げた状態で巻きましょう。これによりひざに“遊び”ができ、日常生活に支障が出にくくなります。ひざを伸ばした状態で巻くと、ひざの遊びがなくなり、苦しくなってしまいます。 サラシ固定包帯を巻く時の注意点
1.ひざの内側にガーゼや綿・ガーゼハンカチなどをあて、ひざの裏側の皮膚を保護する。
ひざの裏側の保護の仕方
2.ひざのお皿のところから巻き始める。
巻き始めの様子の写真
3.ひざのお皿を中心にして、上下に少しずつずらしながら5~6周巻く。
4.そのまま上下に巻いていくことで、ひざへの負担が軽減される。
さらに上下に巻いていく様子の写真
5.上下に幅広く巻き続けることで、サラシのずれ落ちもなく、負担も軽減できる。
※大腿部(もも)は上1/2位まで巻き、下腿部(すね)は下1/3位(くるぶしの上)まで巻く。
負担の軽減をできるよう巻いた写真
6.巻き終わりはサラシの先端を山型に折り、紙テープで留める。
巻き終わりの処理の写真
7.伸縮性のある包帯やサポーターで、ズレを防止する。
包帯を引っ張らないように、サラシと同じ幅で同じ分量巻く。
※注意点:伸縮包帯は非常に伸びますから、引っ張りながら巻いてはいけませんサラシ包帯固定の完成!

伸縮包帯の代わりに、サポーターを使用することもできます。

※筒状のサポーターを使用する場合は、できるだけ締め付けの少ない、ゴムの弱いものを使用する。
筒状のサポーターでズレを防止する


※専用サポーターを使用する場合は、オープンタイプで太さを調節できるので、自分のひざの太さに合わせてしっかり留めてください。
専用サポーターでズレを防止うする

忙しい人向け、サラシ包帯と専用サポーターとの併用

サラシ包帯が面倒と感じる人は、「専用サポーターとサラシ包帯の併用」をオススメします。サラシ包帯を1本の3分の1量だけを巻き、その上から専用ニーロックサポーターを装着するのです。

サラシ包帯固定が何より一番の固定力があり確実ですが、どうしても上手く巻けない方や時間のない方は、サラシ少量と専用サポーターの併用方もひとつの方法です。

また、「歩き始めに痛い」「立ち上がる時痛む」など、比較的軽い痛みに対しては専用サポーターだけでも大丈夫です

サラシ包帯と専用サポーターとの併用

サラシ包帯固定のよくある質問

固定して筋力が落ちたりしませんか?

サラシ包帯固定ではひざを45度に曲げた状態で巻くため、ひざの可動域が充分に確保されています。動けないように固定するわけではないため、筋力が落ちることはありません。
固定による多少の運動制限がある状態で日常生活をすることによって、筋力は逆に鍛えられることになります。

いつ巻けばいいですか?

基本は「昼間巻いて、夜外す」です。朝起きたらサラシ包帯を巻き、夜お風呂に入るときには外してそのまま寝て、朝起きたら再び巻くを繰り返します。
初めて巻いた時や痛みが酷い時は、最初の3日間だけは夜も巻くようにすると良いです。

巻いた直後にズキンズキンと痛みがあったんだけど大丈夫ですか?

ひざサラシ包帯固定は巻き終わった直後からズキンズキンと脈を打つ痛みがありますが、4~5分で消えるので問題ありません。
逆に、この脈打つような痛みがない場合は固定が足りず、しっかり負けていないと考えてください。

どのくらいの期間固定していればいいのですか?

ほとんどの場合、サラシ包帯固定を3週間続ければ痛みは半減します。残りの半分は、残りの半分は痛みをこじらせた期間の約5分の1の期間が目安です。“こじらせた”とは、しっかりとした固定をせずに治療していた期間のことです。

ただし痛みが変わらなかったり、残りの半分が消えないなどの場合は巻き方に不備がある可能性があります。殆どの場合は以下のどれかの要因が当てはまるので、確認してみてください。

  1. サラシ包帯固定の巻き方が弱い
    巻き方の未熟さや慣れないなどの経験不足で、ゆるく巻いてしまうことがあります。ゆるく巻いてしまったり一部しか巻かなかったりして固定力が不足すると、効果が得られません。
  2. 固定用のサラシ包帯の量が不足している
    サラシ包帯の量(長さ)が、基準より少ないなどの包帯不足です。サラシ包帯を短くした方が巻き易いので、基準を守らず自らの判断で少なめにしてしまうことがあります。包帯固定は1巻き(一周)多いか少ないかで、治ったり治らなかったりします。
  3. サラシ包帯固定のやり方を守っていない
    伸縮性の包帯を使用したり、すぐ外してしまうなど、自然治癒力(自己治癒力)の重要性が理解できていないことによる固定力の不足です。このページに記載した指示をしっかりと守ってサラシを巻くようにしてください。
カテゴリ:テーピング・サラシ実践法

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